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国境税調整の衝撃 PART26

先週末発表の米雇用統計が市場予想を大幅に上回る数字だったため、明日、明後日のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRBは間違いなく利上げに動きそうだ。そして16日には米議会に問題の予算教書が提出される。ただ、トランプ政権の幹部人事のうち、まだ8割が議会承認待ちの状況なので、今回の予算教書は概要の概要程度に過ぎないものになりそうだ。したがって、予算教書では国境税に触れることはないというのが関係者の大方の見方である。私の講演会では何度か指摘したのだが、国境税導入を進める共和党下院に対して、共和党上院の議員は大半が反対で、法案の条文さえ全く書けない状態だという。多くの共和党上院議員は、国境税の導入によって米国内の物価が急上昇するリスクがあることを心配している。また、国境税は現状では明確にWTO(世界貿易機関)違反になるので、良識派の多い共和党上院議員の大半を賛成に翻意させるのは容易なことではない。最近、マツダや富士重といった大手自動車メーカーや、富士機工や八千代工業などの自動車部品株が大きく買われているのは、国境税が当初恐れられていたものより、相当緩いものになりそうなことを暗示していると言えるだ...
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国境税調整の衝撃 PART25

今日のメジャーSQは踏み上げ気味に通過したが、依然として市場には国境税に対する疑心暗鬼が渦巻いている。このため、日経平均は昨年来高値にあと45円と急接近したにも関わらず、投資家の弱気心理がほとんど改善していないようである。3月期末の配当取りの動き以外、積極的に株を買おうという勢力は見当たらない。もっとも、ドル円相場が1カ月半ぶりに115円の大台に乗せ、輸出関連株が一斉に買い戻された流れを見ると、ここ2カ月ほど売り越し基調が続いていた外国人投資家が、再び買い越し基調に転換する兆候と読むこともできる。それは国境税が一段と日本企業にとって悪影響が少なくなる方向で導入されようとしていることの裏返しなのではないか。しかし、今は期末が近いため、様々な投資家の思惑が交錯して相場が形成されている。3月期末に合わせたドレッシング買いも今後は増える可能性がある。ただ、例年3月期末、あるいは4月上旬に向けて相場が上昇する傾向が強くなる一方で、よくあるゴールデンウィーク危機やセル・イン・メイのアノマリー(理論では説明できない規則性)にも注意を払う必要があるから、基本的には警戒モードを継続するのが無難である。
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国境税調整の衝撃 PART24

今週末は日経平均など株価指数先物とオプションの精算日が重なるメジャーSQだが、今日はその2日前の水曜日で「急落の急所」と言われる特異日である。日経平均は朝方、スルスルと値を下げて140円以上も安くなったが、後場は例によって日銀のETF買いが出たと見られ、90円安まで戻って引けた。17:30現在、日経225先物は1万9300円前後と、日経平均の今日の安値1万9198円から約100円高い水準であり、ヘッジファンドなどの投機筋が日経平均を売り崩す動きにはなっていない。トランプ政権は市場が注目している予算教書を3月16日に発表すると予告したが、議会承認が必要なトランプ政権の主要ポスト530余りのうち、まだ500前後が議会の承認待ちになっていて、現状はとても予算教書をまとめられる状況にはない。先月末のトランプ大統領の議会演説同様、もし3月16日に予算教書が発表されるとしても、国防費や社会保障などの大まかな予算の配分が示される程度で、再び問題の国境税についてはスルーする可能性が高い。それだけ国境税には議会や産業界の抵抗が強烈なのだろう。こう読むと、やはり主力株や輸出関連株は手掛けづらく、引き続き東...
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国境税調整の衝撃 PART23

日経平均は今日も軟調に推移し、前場、後場ともに前週末比で100円前後安い1万9380円近辺で推移した。国境税の中身が先月末のトランプ大統領の議会演説で判明しなかった以上、国内機関投資家の多くは身動きがとれないから、東証一部の主力株が軟調になるのは致し方ない。しかし一方で、東証二部やジャスダック市場は今日も大幅高して、昨年来高値を更新している。株式新聞や日刊ゲンダイのコラム、講演会、それに当ブログでも再三書いているように、今は来年度からのスチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家指針)の改定が原動力になって、割安株の歴史的な水準訂正の最中であり、それが大量にある東証二部とジャスダック市場には東証一部からの資金シフトが加速している状態である。考えようによっては、東証二部やジャスダック市場の割安株が上昇しているのはトランプ大統領のおかげと言えなくもない。国境税の概要が判明していないことで、業績不安のある輸出関連株や主力株への資金流入が遮断されているわけで、割安株はスチュワードシップ・コードの改定との合わせ技で、棚ぼた式に値上がりしている感じである。もちろん、いくら割安だからといって、全て...
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国境税調整の衝撃 PART22

トランプ大統領の議会演説で国境税の内容が判明しなかったにも関わらず、きのう日経平均は昨年来高値を更新した。売り方の買い戻し(ショートカバー)が主因と見られるが、決算期末が近づいているだけに、今月半ばまでは投機筋の大量のショートカバーが日経平均株価を支えると予想される。問題は、そのショートカバーが一巡した頃に、トランプ政権が予算教書を発表するタイミングであることだ。米国では3月15日に連邦債務が議会で定められた上限に達する「財政の壁」を迎える。順当ならそれまでに予算教書ができあがるはずだが、先日のトランプ大統領の議会演説で国境税にまったく触れられなかったくらいだから、あと2週間当たらずで予算教書がまとまるとは思えない。つまり、3月いっぱいは国境税という「驚異的な悪材料」の中身が宙ぶらりんのままで、投資家は相場に立ち向かわなければならない。こうなると、やはりいくら相場が堅調だとはいえ、安全策をとるのが無難である。いつも言っているように、日本株は今、来年度からのスチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家指針)の改定で、増配余力の大きい割安株(バリュー株)が歴史的な水準訂正局面にある。その...
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国境税調整の衝撃 PART21

日本時間で今朝11時からのトランプ大統領の演説は、まったく目新しい話がなく、市場はまさに肩透かしを喰らった格好となった。トランプ大統領は歴史的な税制改革を進めるとは表明したものの、国境税の中身が明かされるどころか、国境税という言葉すら使わない始末である。これは国境税に対して与党共和党の中にも相当数の反対派議員がいて、法案を作ることすらままならないからだろう。今日のトランプ大統領の演説は、日本でいうところの所信表明演説に相当する一般教書演説の代わりに行なわれたものだ。新任の大統領はまだ国政を把握しきれていないため、一般教書演説を簡易版で済ませる慣例があるのだ。ところが、遅くても3月中に作成する必要がある予算教書と、それを大統領が議会で表明する予算教書演説は、一般教書のように省略することが許されない。予算教書はホワイトハウス(政権側)から議会に対する予算の要望書であるため、具体策を盛り込まないわけには行かない。共和党案では、国境税は年間10兆円以上の税収が見込まれるため、予算案の重要項目になる。しかも、以前指摘したかもしれないが、3月15日には連邦債務が議会で決められた上限に達する「財政の...
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国境税調整の衝撃 PART20

国境税の中身が明かされるトランプ大統領の議会演説は、日本時間で明後日3月1日午前11時過ぎからになるという。何やら昨年11月の米大統領選と同じシチュエーションで、日本株だけが急落しかねない予感もする。ただ、問題の国境税は共和党内の反対も相当な数に上っているとされ、法案が議会に提出されるまでは紆余曲折が予想される。今日の日経平均は前場中ごろから売り仕掛けが入って、一時300円近く安い1万9000円の大台割れとなった。しかし、後場はお決まりの日銀のETF買いが入って多少持ち直し、176円安の1万9107円で引けた。25日移動平均が1万9191円だから、ここと1万9000円の心理的な節目が下支えになっている感じだ。先物やオプションを使った売り仕掛けに左右される日経平均や、主力大型株、輸出関連株などはトランプ大統領の演説が終わるまでは当然のことながら売り優勢になってしまう。しかし、それによる東証一部からの資金シフトで、東証二部やジャスダック市場のバリュー株は引き続き水準訂正の最中である。こちらはトランプ大統領のいう「驚異的な税制改革プラン」とはほぼ無関係で、かつ、4月のスチュワードシップ・コー...
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国境税調整の衝撃 PART19

市場関係者が固唾を呑んで見守っているトランプ大統領の議会演説まで、あと2営業日となった。「驚異的な税制改革プラン」を確実に発表するとは限らないのだが、トランプ大統領の予告が来週中に発表するとのことだったため、やはり月末28日と見て間違いないだろう。ただ、市場ではそれほど大きなサプライズにはならないとの見方が広がっている。すでに目玉である国境税の中身について、情報がかなりリークされているからである。現在は、その適用範囲や税率を巡る最後の調整が米下院共和党とホワイトハウスの間で進められている模様だ。前回書いたように、ゴールドマンサックスのレポートでは、トランプ政権の税制改革の影響は市場が見込んでいるよりも小さいことが指摘されている。国境税を取り仕切ることになるのは、ゴールドマン出身のムニューシン財務長官だけに、ゴールドマンの指摘は無視できないものがある。そうだとすれば、やはり来週のトランプ大統領の演説はサプライズなしとして、材料出尽くしの売りや、買い戻しにつながる可能性が高いだろう。
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国境税調整の衝撃 PART18

前回書いたことと関連するが、やはり今週に入ってからの日本株の堅調ぶりは、来週明らかになりそうな米国の国境税と深く関わっているようである。株価が堅調に推移しているのは日本株に限ったことではない。史上最高値を連日更新しているのは米国株だけだが、欧州株や中国株も今週は年初来や昨年来高値近辺で堅調な値動きになっている。これは国境税の中身が、市場が恐れていたものよりも悪影響の少ないものになりつつあることを示している。ゴールドマンサックスは直近のレポートで、トランプ政権の税制改革は市場が見込んでいるよりも米企業の業績押し上げ効果は小さく、かつ、後ずれすると指摘している。それに投資家が気づけば、米国株は急反落するかもしれないと警告している。大統領就任前の激しい発言を見てもわかるが、トランプ大統領は事前に大袈裟に相手を批判したり、とんでもないことをしでかすと予告しておきながら、実際は常識的な対応にソフトランディングすることがほとんどである。国境税は世界経済のルールを大幅に変更する可能性のある税制改革だが、おそらく数年の猶予期間や、すぐに導入されるにしても激変緩和措置が盛り込まれると見て間違いないだろう...
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国境税調整の衝撃 PART17

今日、日経平均は16円高の1万9251円と、かろうじてプラスで終わった。しかし、先週末の夜間取引で先物が一時1万9020円まで急落していたことを考えると、どうも不自然な動きに映る。市況解説ではドル円相場が下げ止まったことや、25日移動平均線(1万9122円)が下支えになって株価の反発につながったとされているが、そんな単純な原因ではなさそうである。トランプ大統領の言う「驚異的な税制改革プラン」の内容をどうするか、最後の調整が米下院共和党とホワイトハウスの間で進められている。共和党は当初、国境税を創設して法人税を撤廃する方針に固執していたようだが、諸外国との税制のバランスがとれないことから、法人税を残して大幅減税する方向になったと一部で伝えられている。しかし、前述したように、税制改革の権限を持つ下院共和党とホワイトハウスの調整はまだ続いていて、落としどころが見えていないのが現状である。日本株やドルが税制改革発表前に下げ止まるとすれば、それは日本をはじめとする対米黒字国が不利にならないような税制改革になりつつあるということだろう。