ヤマモト

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米中貿易戦争は終わらない PART87

嵐の前の静けさと言うべきなのか、ここ3日ほど米国株も日本株も非常に狭いレンジでの小動きが続いている。今日は上海総合株価指数も0.2%高と凪のような状態だった。香港の大規模デモが「逃亡犯条例」改正案の審議延期で一時的にせよ鎮静化してきたことも不安心理の後退につながっているようだ。とはいえ、先週末は米国で半導体関連株が急落し、SOX(フィラデルフィア半導体株)指数が2%以上も下落するなど、米中貿易戦争の長期化に伴う業績悪化懸念が消えないのも事実である。あと2週間足らずで第2四半期が終了するため、米半導体メーカーは業績下方修正が相次ぐと予想されている。というのも、前回の半導体メーカーの決算発表はトランプ大統領が突然中国に対する制裁関税を引き上げる前の、米中貿易協議の合意が濃厚な段階で発表されており、各社の業績見通しも米中合意を織り込んだ水準を予想していたからである。ファーウェイへの輸出禁止措置など、半導体メーカーが最も米中摩擦で悪影響を好けるセクターだけに、東京市場も今日は半導体関連株に大きく値を下げるものが目立った。
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米中貿易戦争は終わらない PART86

安倍首相のイラン訪問中に日本のタンカー2隻がホルムズ海峡付近で攻撃を受けた。それにも関わらず、今日の日経平均はメジャーSQを通過したこともあって84円高と反発し、ドル円相場も108円台前半をキープ。日本が絡む地政学的リスクが高まったことは明らかにかなりの悪材料だが、それが市場で半ばスルーされたことは心強くもあり、何か別の背景があるような気もする。前回も書いたが、今月28日からの大阪G20サミットに合わせて米中首脳会談が開催されるかどうかに市場の関心が急速に高まってきた。中国政府は相変わらず情報を発信していないし、そもそも大阪G20サミットに習主席が出席するかどうかも表明していない。そのリスクは株式相場にまだほとんど織り込まれていないので要注意だ。米国側が中国に対する追加関税やファーウェイへの輸出禁止措置などの制裁措置を次々と発動する中で、有力な制裁カードを持ち合わせていない中国側が、大阪G20サミットへの出席や米中首脳会談を拒否することで起こるであろう株価の急落を米国に対する脅しとして採用している可能性すらある。そんなわけだから、やはり中国の態度がハッキリするまで、リスク回避を第一に考...
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米中貿易戦争は終わらない PART85

トランプ政権が認める方向だった米携帯電話大手のスプリントとTモバイルの合併について、NY州とカリフォルニア州など10州の州政府が地方裁判所に差し止めを求めて集団提訴したという。この報道を受けて、今日はスプリントの親会社であるソフトバンクグループが一時3%以上急落した。週末のメジャーSQを控えて、売りポジションの多いヘッジファンドが先物に売り攻勢をかけた形跡はないようだが、さすがに1週間で1000円近く上げただけに、少なくともSQ通過までは調整局面を想定しておくべきかもしれない。大阪G20サミット時に米中首脳会談を開くかどうか、中国側は相変わらず「イエス」とも「ノー」とも発信していない。トランプ大統領は首脳会談が実現しなければ、それだけで残りの中国製品2900億ドル分にも25%の追加関税をかけると表明したから、首脳会談の開催の有無が明らかになっただけでも世界の株式市場は再び乱高下するのは間違いないだろう。中国側が態度をはっきりさせるまでは、引き続き新規買いは見送るべきだというのが私の考えである。現物であれば、見直し買いが優勢な親子上場関連株に打診買いを入れるという手もあるが、基本的には極...
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米中貿易戦争は終わらない PART84

トランプ大統領が予告していたメキシコ関税は、日本時間8日に無期延期が発表された。メキシコが不法移民対策を強化することで合意したらしいが、米国株は発表直前の6日までに3日続伸で1000ドル近く上昇していただけに、事前に情報が漏れていたのだろう。まだ安心はできないが、これで当面の貿易戦争は対中国に絞られることになった。NYダウが再び史上最高値に急接近(あと4%弱)しつつあるのに対して、中国の上海総合株価指数は2852ポイントと先週6日につけた今年の安値2822ポイントからほとんど上昇していない。高値は4月8日の3288ポイントであり、現在の水準はそこからまだ13%も下げた水準にある。このデータからわかることは、中国サイドは現時点で米国に譲歩する意向はないということだろう。天安門事件の30周年記念日は既に通過しており、国民に対して中国がメンツをかけて強硬姿勢をとり続ける必要はなくなっているはずだから、6月のG20大阪サミットの際に中国が米国に譲歩する気があるのであれば、そろそろ上海総合株価指数も力強い反発局面に入っていて然るべきである。そうなっていない以上、米中貿易戦争は一段と長期化する可能...
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米中貿易戦争は終わらない PART83

トランプ政権が10日に予定していたメキシコ全製品への制裁関税を延期するかもしれないとの一部報道を好感して、今日の日経平均は110円高の2万884円で終わった。時間外取引では午後6時現在、2万980円まで上昇している。また、私が講演会や夕刊紙などで再三取り上げた日立ハイテクイノロジーズについて日立が完全子会社化を検討との報道(日経ビジネス電子版)もあった。今日は他に不動産のヒューリックが傘下の日本ビューホテルを株式交換で完全子会社化するとの発表と、さらにはクミアイ化学が子会社の理研グリーンを同じく株式交換で完全子会社化するとのニュースもあった。今日、完全子会社化のニュースが3つも出てきたのは、早ければ来週末の親子上場解消のガイドラインを含む政府の成長戦略が発表されるからだろう。政府は6月中に発表するとしていたが、例年、成長戦略は15日前後に発表されている。また世界的にもM&Aは週末か週明けに発表されることが多いから、来週14日にもいくつか親子上場解消の好材料が出そうである。ただ、トランプ政権のメキシコへの制裁関税は実際に延期されるかどうか予断を許さない状況にあるし、月末に米中首脳会談が開...
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米中貿易戦争は終わらない PART82

トランプ大統領がメキシコの全製品に対する制裁関税を今月10日から実施すると表明したことで、株価の回復期待は世界的に大きく後退した。しかし、今日はFRBのパウエル議長が「景気拡大を持続させるために適切な措置をとる」と発言したことを好感して、空売りの買戻しから株価は世界的に急反発した。中国とメキシコに対する制裁関税の行方が不透明なだけに、今回の戻りは空売りの買い戻しが原動力であり、新規資金の流入によるものではないことを肝に銘じるべきだろう。貿易交渉の担当閣僚であるライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官の2人は、今回のメキシコ全製品への制裁関税に強く反対したという。2人ともメキシコとカナダを含む新貿易協定(USMCA)の妥結に苦労しただけに、米国とメキシコがそれを批准するための手続きに入ったその日に、メキシコへの制裁関税を新たに予告するのは米国の国際信用を落とすだけでなく、新貿易協定の発効を非常に難しくするのは間違いないと思ったはずである。トランプ大統領にも言い分はあるだろう。目玉の公約であるメキシコの壁建設を議会で反対されて予算が獲得できず、裏技で国防費の流用を認めさせて建設にと...
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本日、ブログの更新をお休みさせていただきます

お世話になります本日は雑誌取材の為、ブログの更新をお休みさせていただきますよろしくお願いいたします
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米中貿易戦争は終わらない PART81

日本時間で今日の早朝、トランプ大統領はメキシコからの全輸入品に6月10日から5%の制裁関税をかけると突然表明した。メキシコが米国への不法移民対策を講じない場合、制裁関税は7月から毎月5%ずつ加算され、10月には最大25%になるという。これはまさに寝耳に水の話で、今日の日経平均は341円安の2万601円と3ヵ月半ぶりの安値をつけた。トランプ政権は先月17日にメキシコとカナダの鉄鋼・アルミ製品に対する制裁関税を解除したばかり。株式市場は今回のトランプ大統領の「ちゃぶ台返し」の意図を測りかねているが、メキシコに対する制裁関税が実際に発動された場合の企業業績の下振れリスクはまだ株価にほとんど織り込まれていない。その点では、企業業績や日経平均のさらなる下振れを意識せざるを得ない。また、株式市場ではこれまで以上に貿易戦争の影響を受けにくい銘柄への資金シフトが進むと予想される。ドル円相場も今年2月1日以来の108円台をつけた。今夜の米国市場の反応にもよるが、新たな超特大の悪材料の出現で市場心理は一段と冷え込むのは確実だろう。当面は一段とリスク回避に努めるしかないだろう。メキシコへの制裁関税のスタート...
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米中貿易戦争は終わらない PART80

きのうのNYダウは大引けにかけて急落し、237ドル安の2万5347ドルで終わった。中国への制裁関税引き上げ発表で急落した今月13日の安値2万5222ドルに一気に近づいてしまった。これは中国政府が米国の追加関税引き上げの報復として、電子部品などに使うレアアース(希土類)の対米輸出を制限する可能性があると報じられたことや、それに伴って米中貿易戦争が長期化することを見越して、米長期金利が急低下したことが原因だ。米長期金利(10年債利回り)は昨年10月に急騰して一時3.2%台に乗せた。昨年2月と同様、この長期金利の急騰を引き金に世界同時株安が勃発したが、今回は逆に長期金利がその時のピークから1%も急低下し、2.2%台をつけた。米中貿易戦争の長期化で米国景気が悪化し、リセッションに陥るのではないのかとの懸念が背景にある。もちろん、今回のNYダウの急落は、それを材料にヘッジファンドなど投機筋が「米国株売り・米国債買い」の裁定取引を大量に行なった結果である。日経平均も米国株に連れ安して今日は一時2万884円の安値をつけ、2万1000円の大台を一時割り込んだ。FRBが昨年までの連続利上げから、今年中に...
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米中貿易戦争は終わらない PART79

来日中のトランプ大統領は日米自由貿易交渉について「大部分は7月の選挙(elections)の後まで待つことにする。大きな数字を期待している」とツィッターで表明した。日米首脳会談では大したニュースはなかったようだが、このトランプ大統領のツィートを好感して、今日は空売り勢の動きがピタリと止まったようである。その効果で今日の東証一部の売買代金は1兆4713億円と4年5ヶ月ぶりの低水準になった。トランプ大統領が7月の選挙を「elections」と複数形で表現したため、参院選だけでなく衆参同日選になるとの情報を安倍総理から耳打ちされたのではないかとの思惑が広がっている。日米自由貿易交渉の主要部分を選挙後まで先延ばしにするとうことは、米国側が相当に譲歩したように見えるが、そんなことは有り得ない。「少し待ってやるから農産物については米国の要求を大幅に受け入れろ」というバーター取引を行なった可能性が高いと言える。いずれにしても、参院選までは日米自由貿易交渉が株価の大きな悪材料になることは避けられそうである。それよりも最大の難関は来月28日のG20大阪サミット時の米中首脳会談がどうなるかだ。そこで米中が...