ヤマモト

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投機マネーが流入した投資対象はすべて急落

欧州債務危機が深刻化した今月5日以降、株ばかりでなく金や銀、銅、小麦などのコモディティ、それに豪ドルやブラジルレアルといった新興国通貨も暴落に近い下げになっている。ちょうど3年前、リーマン・ショック前後に起きた投機マネーの巻き戻しによる相場急落の状況に極めて似てきたと言える。市場では「リーマン・ショック2」という言葉が完全に定着しつつある。こうした投機マネーによってバブル的に相場が上昇した投資対象は、金融危機の拡大とともに急速に投げ売りされ、投機マネーが一気に流出することによって相場が信じられないほど暴落することを3年前に我々は経験している。その経験則から、今回はそれを先回りした投機筋のドテン売りも入って、下げが加速した面もある。また、先週末にCMEが金、銀、銅の証拠金を大幅に引き上げたことも、投機筋の投げ売りを加速させた。やはり、いまはリスクを極力避けて、嵐が過ぎ去るまで安全策で行くほかないだろう。
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戻り売りの急所

欧州ソブリン危機は悪化の一途をたどっている。IMFはきのう、EU域内の銀行が保有国債の目減りで約21兆円、最悪の場合31兆5000億円の損失を出す可能性があるとの推計を発表した。ちなみに、まだ国債の評価損を損失として計上した銀行は皆無に近いという。EUの銀行の経営内容の悪化で、すでに優良とされる大手銀行でも無担保で短期資金を調達することが不可能になったと伝えられている。IMFは公的資金注入による銀行の資本増強が必要だと指摘するが、もはやEU諸国の政府にそんな余裕はないというか、増税攻めにあっている国民の理解を得られそうにない。明日、あさってとワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議、それにIMF総会が開かれる。G20では参加国が多過ぎてリーダーシップをとれる国がなく、何も決められないとの見方が強いが、IMFは総会直前の21日にラガルド専務理事が主導してNAB(新規借り入れ取り決め=特別財源)と呼ばれる融資枠5710億ドルを発動した。もちろん、欧州ソブリン危機に対処するためだ。これによってとりあえず、仮にギリシャがデフォルト(債務不履行)を宣言した場合の市場の混乱に対処する用意ができた...
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空売りの巻き戻し

ギリシャ国債の利回りが1年物で130%超にまで上昇し、デフォルト(債務不履行)が時間の問題になってきた。ただ、ここまでギリシャ国債が売られるということは、市場でギリシャのデフォルトがほぼ完全に織り込まれたと見ることができる。株式相場が世界的に急反発したり、ユーロ相場が戻しているのも、ギリシャのデフォルト後を見据えた動きと言える。もっとも、欧州中銀や日銀、FRBなどの無制限のドル資金供給などをきっかけにしたショートポジションの巻き戻しが買い戻しのほとんどを占めていると見られ、必ずしも相場がターニング・ポイントを迎えたということではない。今日の米メジャーSQ(トリプル・ウィッチング)が終わると、反発もいったん終了する恐れがあり、引き続き、新規買いを入れられるような投資環境ではない。
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週末の米メジャーSQまで相場は大荒れか PART2

ギリシャの2年国債の利回りが75%を超えるなど、ギリシャのデフォルトが避けられない情勢になってきた。過去5回もデフォルトを宣言した実績のある常連国だけに、EUの政策決定機関である欧州委員会もギリシャを生け贄にして、財政が悪化した他のPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国に、「早急に緊縮財政に取り組まなければギリシャのようになる」と警告を発しているのではないかと思われる。一連の欧州ソブリン危機が山を越えないと、世界同時株安にも歯止めがかかりそうにないが、基本的には今週の米メジャーSQを通過すれば、下げ過ぎの局面に移行すると推測される。ただし、いまは無理をしないで生き残る投資戦略を考えたい。
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週末の米メジャーSQまで相場は大荒れか

先週末のG7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)は、円高是正を訴えるとしていた安住財務相の発言は黙殺されたようで、為替相場に関する合意も具体策も何も出なかった。やっぱりと言ってしまえばそれまでだが、やはり日本の政治力の無さには呆れかえってしまう。こうなると、日本独自の円高対策(デフレ脱却法案など)を打ち出して、自力で円安に誘導するしかないが、QE3(量的緩和第3弾)を模索する米国と、欧州債務危機を振りかざしてユーロ安に誘導するEUを敵に回す形で円安を作りだすのは容易ではない。今週末の米国のメジャーSQまで、株式相場は世界的に大荒れになりそうな雲行きである。無理をせず、嵐が過ぎ去るのを待つほかないだろう。
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ニューヨーク市場の反応待ち

日本時間で今日の午前中にオバマ大統領の議会演説があり、総額35兆円規模の新経済対策が発表された。残念ながらHIA2(本国投資法第2弾)は含まれなかったが、これが議会を通過するとはとても思えない。雇用促進減税や勤労者向け減税など、ほとんどが個人や中小企業向けの減税措置で、その財源も富裕層への増税と歳出削減で捻出する計画だからだ。大衆迎合の民主党らしい景気対策だが、大企業や富裕層優遇を主張する共和党がこれで納得するはずがない。与野党の調整で法案が成立するとすれば、やはり共和党はHIA2(本国投資法第2弾)を対策にブチ込むよう要請する可能性がある。これが入らないと、株価的にはほとんどインパクトがないと言っていいだろう。ニューヨーク市場の反応待ちとしか言いようがない。
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円買い・株売りポジションの巻き戻し

8日にオバマ大統領が発表する新経済対策と9日、10日のG7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が世界同時株安のターニング・ポイントになるとは思うのだが、下落相場のトレンドを中長期的に変えられるかとなると、そんな力はなさそうである。あくまでも短期的なトレンド転換にとどまると見るのが無難だろう。日本株にとってはG7の方がインパクトは大きいかもしれない。オバマ大統領の新経済対策は、HIA2(本国投資法第2弾)のような減税策にしても、財政出動を伴う雇用対策にしても、それを実現するには議会下院の壁が立ちはだかる。日本の参議院と同じで、よほど国民から支持を得られる対策でないと、そう簡単には成立しない。一方G7は、安住財務相が円高是正策を他の国に呑ませることができるかどうかがカギになる。協調介入などは到底合意してもらえないだろうが、スイス中銀がスイスフランを暫定的なユーロ・ペッグ制にしたことが追い風になるのは間違いない。メジャーSQ2日前の今日、日経平均が172円高と急反発したのは、やはりスイスフランのユーロ・ペッグ制移行が効いたと思われる。円相場が1ドル=77円台に入ったということは、円買い・株...
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目先は慎重に

先週末の発表の米雇用統計が予想を大幅に下回る数字であったことや、欧州の金融不安が深刻化して、銀行の経営危機が再び表面化するなど、何やら嫌なムードが漂い始めている。とりわけ欧州の金融危機がリーマン・ショック前の状況に似てきていて、短期金融市場では貸し渋りが目立つという。今週8日木曜日にオバマ大統領が新経済対策を発表し、さらに9日10日にはフランスでG7(財務相・中央銀行総裁会議)が開かれる。EUやECB(欧州中央銀行)は、さすがにそろそろ火消しに回らないとヤバイと感じ始めている頃であり、今週は米・欧の政策対応で相場が急反転する可能性が高いと見ている。ただし、本丸の11月のG20(主要20カ国地域首脳会議)まで危機的状況を引っ張って、それを国際通貨制度改革のテコにする可能性もあるから、用心するに越したことはない。目先は慎重に行動すべきだろう。
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ここからの押し目は買い場

今夜の米雇用統計を見ないことには、とても安心して株を買う気にならないというのが、市場参加者の素直な気持ちのようである。予想外によかった昨日のISM製造業指数は、一時的にNYダウを100ドル以上推し上げたものの、結局、買いは長続きせずにNYダウは119ドル安で終わった。今後の相場を占う上でのポイントは、オバマ大統領が8日に発表するという新経済対策。報道によれば、雇用対策や優遇税制を含む総合経済対策になるという。ここで注目してもらいたいのが、優遇税制という言葉である。私は以前から、「HIA2(本国投資法第2弾)+QE3(量的緩和第3弾)」が来年の米大統領選対策の切り札になると指摘してきた。まさにそのHIA2が企業向けの優遇税制なのである。HIA2は米企業が海外で稼いだ利益を本国に送金する際、本来なら35%掛かる税金を5%強で済ますという企業向けの1年間限定の優遇税制(HIA1の時の規定)である。しかも、配当に回すか、設備投資に回すことを条件とした優遇税制であり、前回2005年に実施した時は、円換算で40兆円前後の資金が米国に還流し、一大設備投資ブームが訪れた。つまり、実質的な財政出動なしで...
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ダブルボトムで大底確認

ソブリン危機という言葉をあまり使いたくないのだが、今回の世界同時株安の本質はそこにある。いわゆるPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)と名指しされた、財政不安のあるEU諸国の国債の相場が急落し、それを大量に保有する欧州の銀行株が暴落した。それはリーマン・ショック時を上回る勢いの株価の下げ方だった。銀行株の急落は米国、日本にも波及したが、日経新聞を筆頭に日本のマスコミはそのことをほとんど伝えていない。日本ではみずほFGが8月23日にリーマン・ショック後の最安値110円に顔合わせしたし、三井住友FGは8月26日に2161円とリーマン・ショック後の最安値を付けている。米国ではバンカメの経営危機が深刻化し、株価は8月1日の10ドルから23日には6ドルまで急落した。年初には15ドル台をつけていたから、米国のメガバンクとしてはまさしく暴落である。これは保有する住宅ローン債権の一部を、あたかも不良債権化していないよう粉飾していたことがばれたり、米保険大手のAIGから105億ドルの損害賠償請求をされるなどして、明らかな自己資本不足になることが判明したからである。ただ、バン...