ヤマモト

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米中貿易戦争は終わらない PART36

米国では政府機関の一部閉鎖が今日で過去最長の25日に達した。メキシコ国境の壁建設予算の計上を強行しようとするトランプ大統領と野党民主党のバトルはもうしばらく続きそうだが、民主党が妥協しない場合は非常事態を宣言して国防費から費用を捻出する可能性も少なからずあるという。それでも米国株は底堅く推移している。これは前回指摘した暴落防護チームの功績が大きかったと言っていいだろう。暴落防護チームの最大の功績は、FRBのパウエル議長に「金融政策を柔軟に見直す」と言わしめ、利上げを事実上凍結させたことだ。トランプ大統領は12月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げが決定した後、パウエル議長の解任を検討するとツイッターに投稿するなど、FRBの利上げが株価暴落の原因だと怒りをあらわにしていた。そこでムニューシン財務長官に暴落防護チームを10年ぶりに召集させ、間接的にパウエル議長に金融政策を転換するよう迫ったと考えられる。年末の株価暴落で大儲けした一部のヘッジファンドは、勢いに乗って年明け後もデリバティブを駆使して株価の売り崩しに動こうとしていたはずであり、それを暴落防護チームが自粛するようゴールドマン・...
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米中貿易戦争は終わらない PART35

今月7日から8日までの日程で開かれていた米中貿易協議が、1日延長され9日に終了した。トランプ大統領は「非常にうまくいっている」とだけツイッターに投稿したが、中国外務省は「貿易摩擦解消のための基礎が築かれた。協議の肯定的な結果は米中だけでなく世界経済にとって朗報となるだろう」と表明した。昨年12月1日に米中首脳会談で貿易戦争の休戦を発表してから、米中協議は今回が初めて開かれたわけで、このわずか3日間で結論が出たとは考えにくい。昨年12月24日のクリスマスイブに、米金融当局のトップで構成される大統領直轄の会議が招集された。正式名称は「金融市場に関する作業グループ」だが、通称は「暴落防護チーム(PLUNGE PROTECTION TEAM)」である。この会議が召集されたのはリーマン・ショック以来、実に10年ぶりのことだ。メンバーは財務長官を議長とし、FRB議長、SEC(証券取引委員会)委員長、CFTC(商品先物取引員会)委員長で構成される。今回はこの4人のほか、通貨監督庁(OCC)長官、連邦預金保険公社(FDIC)総裁の2人も加わった。この会議は金融危機時など市場がパニック状態に陥った時に開...
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米中貿易戦争は終わらない PART34

日経平均は3日続伸となり、節目の2万1000円が視野に入ってきた。前回の当欄では週末のオプションSQまで2万円の攻防戦が続くと見ていたが、今日の「急落の急所」を大幅高で通過したところから見ると、週末のSQまでは、むしろ踏み上げ相場に近い上げになる可能性がある。先月19日に日経平均が2万1000円を割り込んでから、わずか4営業日で1万8948円まで急落したため、今はこの真空地帯を駆け上がっている格好である。急落の原因となったFRBの利上げは、パウエル議長の「金融政策を柔軟に見直す」との発言もあって、当面凍結される見通しのため、日経平均は急落直前の2万1000円水準まで意外にあっさり戻しそうである。というのも、NYダウは先月19日の利上げ前の水準まで回復しているからだ。円高やアップルの販売台数下方修正などの逆風はあるものの、3月の決算期に向けて待機資金が潤沢な年金基金などが持たざるリスクを意識して株式の投資ウエイトを引き上げてくるものと思われる。
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米中貿易戦争は終わらない PART33

先週末のパウエルFRB議長の講演で、「金融政策を柔軟に見直す」との発言が飛び出し、NYダウは746ドル高と3日の急落分を帳消しにする急反発となった。いわゆる年末の急落(ブラック・クリスマス)は、世界的な株安が続いているにも関わらず、FRBが利上げを強行したことが最大の原因とされていたから、このパウエル発言で市場に渦巻いていた不安や疑心暗鬼が大幅に後退する形になった。日経平均は今日、一時700円以上の上げ幅となったが、大引けでは2万円の大台をかろうじて上回る477円高の2万0038円となった。先物の夜間取引も2万円の攻防戦となっていて、今週末のオプションSQまではその攻防戦が継続すると思われる。というのも、前述のブラック・クリスマスで、持ち株を整理しなければならない投資家の投げは一巡している上に、正月休みが明けたことで個人や機関投資家の待機資金が出動できる環境に戻っているからだ。信用買い残は年末の1週間で3478億円減の2兆4780億円と1年半ぶりの低水準まで激減している。新興市場の株価の戻りは東証一部よりも大きい。直近安値からの上昇率は日経平均が約6%なのに対して、マザーズ指数が約15...
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米中貿易戦争は終わらない PART32

日経平均は心理的な節目になっていた1万9000円を若干割り込んだところでようやく下げ止まった。まだ油断はできないが、当面は1万9000円レベルが下値支持線になりそうだ。今日は年金など一部の国内機関投資家が買い向かったのが効いたようだが、一方では内外の投資家から年末年始を意識したポジションを軽くする手仕舞い売りもかなり出たと伝えられている。その攻防戦が今日の日経平均を大きく振幅させた原因である。日経平均は寄り後に374円高の1万9530円まで急反発した後にジリ安となり、午後2時過ぎには一転して207円安の1万8948円まで売られた。その後は引けにかけてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの国内年金が株式の組み入れ比率を維持するための買いを入れたとの情報が流れ、大引けにかけて171円高の1万9327円まで戻して引けた。実に600円近く戻して引けたことになる。大納会にかけては、前述のGPIFや共済年金といった公的資金がポートフォリオに占める株式の運用比率を維持するための買いを出すため、これが日本株の下値を支えそうだ。これはIPOで大失敗した携帯電話のソフトバンクにも通じる話で、この...
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米中貿易戦争は終わらない PART31

米中貿易戦争は終わらない PART31日経平均は今日も下げ止まらなかった。明日からの3連休を控えて売りがかさんだこともあるが、長い正月休みに備えた安全対策の売りもかなりあったと見られる。ただ、今日のNY市場のメジャーSQ(トリプル・ウィッチング)次第で換金売りの世界的な大波はいったん収まりそうだ。しかし、これだけの超弱気相場になった以上、休み返上で、ここぞとばかりに売り仕掛けをするヘッジファンドもありそうな気がする。今年はヘッジファンドの運用成績が総じて悪く、解約売りがリーマン・ショック時以来の規模に達する見通しだと伝えられる。それが世界的に株価の底入れを阻んでいる原因の1つと見て間違いない。まだ途中経過だが、今年の外国人投資家の日本株売り越し額(現物のみ)は、12月第2週までで5兆円を突破し、ブラックマンデーのあった1987年の年間売り越し額(7.2兆円)に次ぐ規模になった。先物との合計では実に12兆円超の売り越しになっている。☆年末年始の休暇に伴いまして、ブログの更新を年内は12月26日まで、年始は1月7日よりとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
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米中貿易戦争は終わらない PART30

今日のソフトバンクのIPOは大失敗だった。しかも、個人投資家に多額の評価損を発生させた罪は重い。同社に限らず携帯各社は政府から通信料金の4割値下げを迫られている上に、ソフトバンクはファーウェイ製の設置済みの基地局を全て他社製に置き換える方針と伝えられている。宮内社長は年間75円の配当を2~3年維持したいと発言しているが、それが実行できる保証はない。4割の通信料金値下げがなければ、数年分の期間利益でファーウェイ製の基地局を他社製へ切り替えることが可能だろうが、4割値下げしたら利益の大半が吹っ飛びかねない。しかも、来年中には次世代の5Gへの移行を控えており、その関連の巨額の設備投資も必要になる。またソフトバンクは2~3年かけて人員の4割をAIなどの成長分野へ配置転換することで、値下げしても収益が大きく下振れることはないとしているようだが、基地局を他社製に切り替えたり、5Gへの移行作業などで、人員をそんなにリストラできるのかという疑問が残る。いずれにしても、ソフトバンクの投げ売りが一巡しないことには、個人投資家の動揺は収まらないだろう。今はセリング・クライマックス的な状況ではあるものの、基本...
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米中貿易戦争は終わらない PART29

先週末にNYダウが再び500ドル近く急落した要因は、ダウ採用の製薬会社ジョンソン&ジョンソンの急落が最大の原因だった。同社のベビーパウダーの原料であるタルク(滑石)にアスベストが含まれていたことを把握していたのに開示していなかったという一部報道が急落の引き金になった。真偽は不明だが、すでに1万件以上の訴訟が起きており、株価は1日で10%急落した。他にアップルと半導体大手のクアルコムの訴訟合戦も引き続き悪材料視された。中国の裁判所がクアルコムの訴えを認めて、アップルの中国でのスマホの販売を差し止める仮処分を出したが、アップル製品を製造するホンハイなどアップルの受託製造サービスを行なう4社は、クアルコムと和解協議を行なっていないことが関係者の話で明らかになっている。これにより、アップル株は先週末も3%以上値下がりして、終値ベースで5月初旬以来の安値となった。ただでさえ、米中貿易戦争でアップルの業績不安は高まっているのに、身内であるはずの米国企業からも訴えられて業績不安に拍車がかかった格好だ。
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米中貿易戦争は終わらない PART28

メジャーSQを通過した途端、再び日経平均は先物主導で大きく値を下げた。ということは、SQ直前まで日経平均を高く誘導し、踏み上げ相場を演出した投機筋が結構いたと推測できる。また、彼らがSQを通過した途端にドテン売りに回った可能性も否定できない。いずれにしても、目先は実需ではなく、投機筋による先物を使った空中戦の影響が極めて大きいため、年内は引き続き「生き残りモード」で体力温存に努めるのがベターだろう。また、年末が近づくに連れ、今年前半に人気化した銘柄の換金売りが目立つようになってきた。それは当然、「利食い売り」ではなく「見切売り」の方が多いのだが、税金対策に伴う「損出し売り」や「合わせ切り」も少なくないようだ。「合わせ切り」は利益の乗った銘柄と、損失の出ている銘柄を同時に売って譲渡益がゼロに近づくようにする節税対策。「損出し売り」も既に源泉徴収された課税分を少なくする手法で、どちらも例年、この時期になると急増する傾向がある。このため、クリスマス辺りまでは、この1年で大きく上がった銘柄と大きく下がった銘柄は、税金対策売りの対象になりやすいので注意が必要だ。
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米中貿易戦争は終わらない PART27

米国の要請でカナダ当局に逮捕されたファーウェイ副会長の保釈が決まり、米中摩擦の再燃がひとまず沈静化したことで、日経平均は一時500円近い急反発となった。きのうのNYダウも一時500ドル以上急反発したものの、引けでは53ドル安と反落した。これは非常に紛らわしいニュースが2つ続いたことが要因と思われる。1つはファーウェイ副会長釈放が、同じ日に起こった中国政府の元カナダ外交官拘束とのバーターで行なわれたと勘違いされた可能性だ。ファーウェイ副会長を釈放するかどうかは、米中交渉に含まれるとトランプ大統領は昨日発言していた。そして、同時にトランプ大統領は中国が膨大な量の米国産大豆を購入していることや、中国が米国車の関税を40%から15%へ引き下げることについて発言しており、米中交渉の結果、ファーウェイ副会長の釈放が決まったと推測されるのだ。もう1つ紛らわしかったのは、中国の知財裁判所がiPhoneの旧機種の販売差し止めの仮処分を出したというニュースだ。これはファーウェイ副会長逮捕に対する中国側の報復措置と誤解されやすいが、実態はアップルと特許料の支払いで訴訟合戦を繰り広げている米半導体大手のクアル...