2015-10

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TPP総合対策本部が始動

TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意により、これまで停滞していたアベノミクス「第三の矢」の成長戦略が一気に動き始めようとしている。ちなみに、安倍総理が先月発表した「新三本の矢」は、来年7月の参院選対策の色彩が濃いと言える。株式市場ではほとんど相手にされていないが、安倍政権としては「旧三本の矢」をしばらく国民に忘れていてほしいのかもしれない。安倍総理は全閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を設置すると6日に表明した。なぜ全閣僚が対象なのかと言えば、TPPで影響を受ける分野が農業や医療などにとどまらず、ほぼ全産業に及ぶからである。設置表明からわずか3日後の今日、初会合が開かれ、3つの基本方針が発表された。「新市場開拓」、「イノベーション促進」、「国民不安の払拭」である。安倍政権の政策と言えば、国家戦略特区に代表されるように、遅々として進まない政策がほとんどだ。しかし、今回のTPP対策は別格のスピード感がある。TPP対策を名目とした景気対策を早期に打ち出す必要があるからだろうが、それについては農業対策が中心になるため、補正予算の規模も比較的大きくなると予想する。しかし、株式市場にとって...
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TPPの次は欧州連合とのEPA交渉

大筋合意に漕ぎつけたTPP(環太平洋経済連携協定)の余勢を駆って、日本は欧州連合(EU)とのEPA(経済連携協定)交渉を年内にも本格化させる見通しだ。安倍政権はTPPを柱とする自由貿易協定で事実上、第二の開国を行ない、日本国内の市場を開放するとともに、遅ればせながら日本企業の国際競争力の強化を図る算段である。これに欧州とのEPAが加われば、自動車産業を中心に輸出企業には強烈な追い風が吹く。というのも、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題をきっかけに、欧州では新車の半分以上を占めるクリーンディーゼル車のインチキがバレ、ガソリン車やハイブリッド車を見直す動きが広まりそうだからだ。複数の報道によると、フォルクスワーゲン以外のクリーンディーゼル車も、ほとんどが環境基準を全く満たしていないという。フォルクスワーゲンの排ガス不正は欧州の規制当局が4年前に認識していたとのことだから、官民でクリーンディーゼル詐欺を働いていたわけで、欧州車のブランド価値は相当に傷ついたと言えるだろう。となると、これまで欧州市場で劣勢に立たされていた日本車の見直しが一気に進む可能性がある。日欧EPA交渉では、日本は自動車に...
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2度の延長戦で大筋合意に漕ぎつけたTPP閣僚会合

前回予測したように、TPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合はどうにか大筋合意に漕ぎつけられたようである。もちろん、現段階(5日、午後6時)では閣僚による共同記者会見は開かれていないし、合意したとの正式発表もないが、それは合意文書の細部を詰めているからだろう。私はTPP合意なら日経平均は年内2万円回復、決裂なら1万5000円台に急落と予想してきた。どうにか最悪のシナリオは避けられたが、まだ参加12カ国での批准手続きが残されているため、TPP協定が発効するまでは1年前後、オバマ政権が大統領選でもたつけば、2年前後かかってしまう。しかしながら、何度も書いてきたように、TPPは大筋合意さえしてしまえば、安倍政権はそれを「錦の御旗」にして岩盤規制の改革など成長戦略を断行できるため、株価的には一番おいしい段階に差し掛かったと考えている。ただ、一方では中国経済の不透明感に加え、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題の余波による欧州経済の底割れ懸念が重なり、株式相場にはかなりの逆風が吹いている。もっとも、世界の株式市場はこれらの悪材料を7月から前倒しで織り込んできたため、ここからは悪材料出尽くし、不景気の...
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日本株の正念場、TPP閣僚会合 PART2

米アトランタで開かれているTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合は延長戦に突入した。以前から10月2日までの3日間になるかもしれないと言われていたから、それほどサプライズにはならなかったが、議長国の米国が延長を決めた以上、今回は何としても大筋合意に持ち込む腹づもりなのだろう。きのうと今日の日本株が予想外に強く推移したことも、結果的にTPPに対する米国政府の本気さが感じ取れる。私は以前から今回のTPP閣僚会合が決裂したら日本株は暴落してもおかしくないと予測してきた。日経平均は先月29日に714円安の1万6901円と急落し、それまでかろうじて維持してきた1万7000円の大台をあっさり割り込んでしまったので、今回のTPP閣僚会合は決裂なのか?とも思われたが、これは前回書いたように、スイスの資源会社グレンコアやフォルクスワーゲンのメインバンク、ドイツ銀行の経営危機説が原因だった。TPPはあくまでも多国間交渉なので、インサイダー取引はできないのが建前である。しかし、実際には交渉のキャスティングボートを握っているのが米国だけに、彼らだけは今回の閣僚会合の落としどころを知る立場にあった。つまり、イン...