2015-05

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12年半ぶりの円安と金融株高

円相場は一時1ドル=124円台に突入して、12年半ぶりの円安・ドル高水準になった。それに対して、偶然ドイツで開かれていたG7財務相・中央銀行総裁会議では、米国サイドから何らドル高を強くけん制する発言はなかった。麻生財務大臣、黒田日銀総裁からも、「為替は安定的に推移することが望ましい」的な、ありきたりな発言しかなかった。一方、株式市場はきのうと打って変わって、今日は輸出関連株の利食い売りや戻り売りが目立った。反面、きのうと同様、大手銀行株やノンバンク株の一角が商いを伴って買われた。きのう、6億2000万株と驚くべき出来高で急伸したみずほFGは、今日も5億8000万株と歴史的な商いを記録して続伸。これに刺激されたのか、オリコが一時10%以上急伸して東証値上がりランキング4位に入った。前場中ごろに口永良部島が爆発的噴火を起こしたと伝わって、個人投資家は売り物先行となったようだが、銀行株やノンバンク株は外国人買いがしっかり入ったようである。今日の東証一部値上がりランキングの中で輸出関連株に位置付けられるのは、東芝やナブテスコなどたったの5銘柄だけだった。正直なところ、今日新値を更新したみずほF...
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約8年ぶりの円安

急激な円安・ドル高が始まったのは、きのうの日本株の大引け直後だった。いわゆるロンドンタイムに入るか入らないかの時間帯である。ちょうどその時、某新聞社の電話取材を受けていたのだが、為替相場が一気に動き出したので早めに切り上げさせてもらった。結局ドルは主要通貨に対して全面高となり、対円では7年10か月ぶりに1ドル=123円台に突入した。原因は先週末にイエレンFRB議長が年内の利上げを示唆したことと、米議会上院でTPA(大統領通商一括交渉権)法案が可決されたことの合わせ技と見ていい。欧米は25日・月曜日がバンク・ホリデーでマーケットが閉まっていたため、きのうのロンドンタイムが彼らにとって最初の取引になった。私は以前から、TPP(環太平洋経済連携協定)が妥結した場合、85年の「プラザ合意」に匹敵する規模の超円安(当時は超円高)が起きても不思議はないと予想してきた。TPP妥結に不可欠なTPA法案が前半のヤマ場を通過した以上、この程度の円安が起きるのはむしろ当然と言えるだろう。一方、年内の利上げに言及したイエレン発言の方は、様々な条件がついているため、結局は雇用統計など経済指標次第という、従来のガ...
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久々の大地震で国土強靭化関連株に再評価気運が高まるか

私の事務所はペンシルビルに近い雑居ビルの5階(最上階)にある。しかも、隅田川まで400m余りで地盤も悪いらしく、東日本大震災の時には本棚や扉付きの棚に入れていた本や資料は全て床に落ちるし、パソコンも3台机から落下する始末。今日の地震でも、すぐさま階段で外に飛び出したが、物が落下する被害はなかった。東日本大震災が起きた時間が14時46分、今回が14時28分で、何か因縁めいたものを感じる。前回は大引け間際だったこともあり、株価の急落は200〜300円にとどまって、翌週から本格化したと記憶している。今回も日経平均は瞬間的に70円か80円下がったが、大引けはほぼ高値引けに近い149円高だった。しかし、市場関係者が地震の恐怖を久々に味わったのも確かで、明日からは建設株やコンクリ二次製品、橋梁などの国土強靭化関連株の人気が再燃してくると予想する。すでに地震の直前から日本コンベヤや日本コンクリート、東京製綱(ワイヤロープ最大手)などが商いを伴って買われていて、このセクターの人気が再燃するのも時間の問題だったと言える。こうした建設関連株は休養も十分で、ガイダンスリスク(超控えめな業績予想による株価の下...
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TPA成立までは株主還元が有力テーマに PART3

先週前半までの株価の調整局面で、売られ過ぎた銘柄の買戻しが進んでいる。輸出関連株や日経平均への寄与度が大きい値がさ株がその中心だ。キヤノンやKDDIのように、25日移動平均線に上値を押さえられている銘柄も結構あるので、戻り売りや利食い売りをこなしきれていない主力株も相当数ある。株価指数の高値更新を手放しで喜ぶわけにもいかない。豊田自動織機やパルコなどの親子上場関連株も25日線近辺まで戻ってきた銘柄が増えた。決算発表で親子上場解消に関する材料が出ずに失望売りで下がった銘柄が多かったようにも見えるが、本番はやはりモノ言う株主の発言が増えそうな株主総会の後だ。来月1日にコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針、以下CGコード)が導入され、来月25日には株主総会の集中日がやって来る。経営陣にとっては株主総会が年間を通して最大のイベントなので、そこに初めてCGコードと機関投資家向けのスチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家指針)の両方の縛りが出てくるわけで、上場企業の経営陣にとってはまさしく鎖国を解いて「明治維新」を迎える気分だろう。それが日本株にとってどの程度の革命になるのか、ファナ...
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TPA成立までは株主還元が有力テーマに PART2

日経平均は今日、約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。TOPIXと東証二部指数、マザーズなど新興市場はすでにきのう高値を更新していたから、名実ともに日本株の調整は終わったと言える。欧州株はまだ史上最高値まで、まだ少し距離があるが、米国株は史上最高値、上海総合株価指数も年初来高値更新と、事実上、世界同時株高の局面に入ったと考えられる。今日の株式市場の最大のトピックは不動産株の急伸だろうが、寄り後までマイナス圏で推移していた東京建物が後場に入ると急伸して、東証一部値上がりランキング23位に入った。ほかにマンション中堅のタカラレーベンが16位、住友不動産が19位、ケネディクスが21位にランクインしている。これは明日から始まる日銀の金融政策決定会合ではなく、ドイツ証券が発行したレポートが好感された格好だ。それによると、銀行の不動産向け融資が急拡大し、伸び率は1-3月期に3.6%増と09年の開示方法変更以来、過去最高になったという。実際のレポートを見ていないので、どういう書き方になっているのかわからないが、不動産市場がバブルに突入した兆候があるとのことだ。不動産市況については、私も業界の統計を毎月...
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TPA成立までは株主還元が有力テーマに

TPP(環太平洋経済連携協定)妥結に不可欠とされるTPA(大統領通商一括交渉権)法案が、今週、米上院で可決される公算が高まってきた。共和党上院の複数の幹部が週内に可決できると自信を見せたという。実は、今週中に本会議で採決まで持って行けないと、米議会は今週末から来週いっぱいまで上下両院とも休会になるので、またしても法案成立が先送りされるところだった。上院がTPA法案を今週中に可決すれば、休会明け後に下院の審議が本格化し、6月第2週までに下院も採決にこぎつけられそうだ。もともとTPP参加12カ国は来週、閣僚会合を開く計画を立てていた。そのため、場合によっては、それに間に合わせるよう、下院も今週中に採決する可能性が残されてはいるものの、与野党とも反対派の切り崩しが難航していると伝えられる。無理に急ぐと否決されかねないので、やはり6月上旬の可決・成立が順当なところだろう。そうなると、TPP関連株を物色するのはまだ少し早いかもしれない。TPA法案の上院可決はすでに確実な情勢で、あとは時間の問題なのだが、下院はまだ確実に可決できるとは言えない情勢にある。つまり、今週中に上院が可決しても、日本株はす...
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今週末で決算発表シーズンが終了。来週から相場は正常化へ PART2

今日東証が発表した株式売買動向を見て、かなり納得するものがあった。データは5月第1週分で、3連休のため取引があったのは7日、8日の2日間だけだが、信託銀行が6週連続で売り越していたのが目を引いた。信託銀行はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など公的年金や簡保、ゆうちょ銀行の売買動向を反映するとされる。もっとも、信託銀行は投資信託の売買動向も反映するため、必ずしもGPIFなどの公的資金が6週間もの間、売りに回っていたとは考えられないが、それでも公的資金の買いが大幅に縮小していたのは確かだろう。8日まで6週連続で信託銀行が売り越したということは、今日までの決算発表期間中もGPIFなどの公的資金は買いを見送っていたと考えるのが妥当だろう。それが正しいとすれば、彼らは3月末で買うのをいったん中止し、今年度に入ってからは全く日本株を買っていない可能性もある。実は、公的資金の買いは証券会社の自己売買部門に反映されたり、外国人投資家の売買として反映されることもある。彼らが運用を委託する資産運用会社の都合で、必ずしも信託銀行が窓口になるわけではないのだ。そうだとしても、信託銀行の売り越しが6週...
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今週末で決算発表シーズンが終了。来週から相場は正常化へ

今日午後1時前に、先物に大口の買いが入って日経平均は午前中のマイナス圏から一気に100円以上の上昇となった。午前中(9時20分頃)の安値が1万9494円、大引け直前の高値が1万9791円なので、日経平均は300円近くも跳ね上がったことになる。午後5時10分現在、日経225先物は夕場で1万9850円まで上げているので、おそらくヘッジファンドの仕掛け買い(ドテン買い、巻き戻しの買い)と見て間違いないだろう。今晩は米オプションSQの2日前にあたり、ヘッジファンドが大規模な仕掛けに動く特異日である。決算発表シーズンが終わるとともに、これまで様子見を決め込んでいた国内機関投資家が再始動する。とりわけ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や共済年金、簡保などの公的資金が動き出すのが大きい。空売りを得意とするヘッジファンドも、ゴールデンウィーク中は日銀の防戦買いだけを警戒していればよかったわけで、今週いっぱいはまさしく「鬼の居ぬ間の洗濯」だった。それを十分満喫したヘッジファンドの一角が、早くも今日から売りポジションを手仕舞って、“鬼”が帰ってくる来週に備え始めたのだろう。日経平均は先物で見ると...
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「ゴールデン・ウィーク危機」のメインターゲットはユーロ圏だった PART2

終わってみれば、先週までの急落は何だったのか?という感じである。連休で国内機関投資家など大口の買い手が不在の中、先物でヘッジファンドのやりたい放題売り込まれるという構図は、来年以降も続きそうだ。先週末が日本のオプションSQだったので、先月まで3カ月連続でSQ直前に「踏み上げ」を喰らったヘッジファンドにしてみれば、今月は4カ月ぶりにSQ直前に日本株の売り崩しに成功して、リベンジを果たした格好である。先週末の米雇用統計が市場予想を上回ったことで、NYダウは267ドル高の1万8191ドルと史上最高値まであと90ドル余りに迫り、過去6番目に高い水準で引けている。主要市場で最も下落率が大きかったドイツのDAX指数(4月高値から直近安値までの下落率は約10%)も、先週7日の安値から8日の高値まで1日で約5%も急騰した。同様に、中国の上海総合株価指数も先月27日の年初来高値から一時約10%急落したが、日曜日に発表した利下げも手伝って、そこから6%ほど戻している。日本市場は今週いっぱいまで決算発表がたけなわのため、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や共済年金、簡保などの公的資金以外の機関投資家...
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「ゴールデン・ウィーク危機」のメインターゲットはユーロ圏だった

「ゴールデンウィーク危機」とは、日本の大型連休中になぜか株価が急落しやすい現象を指す。これはヘッジファンドの中間決算に絡んで、彼らが「円買い・日本株売り」を大規模に仕掛けてくるというのがこれまでの通例だった。今回の大型連休中にも、日本株が大きく下落する中で多少の円高・ドル安が起きたものの、対ユーロではむしろ大幅な円安が起きているので、今回のヘッジファンドのターゲットは日本ではなかったと考えられる。ではどこがメインターゲットになったのかと言えば、これは5年前の大型連休中に起きた欧州債務危機と同様、明らかにユーロ圏だ。欧州中央銀行の量的緩和で大きく値上がりしたユーロ建て資産を、ヘッジファンドが大規模に利食ったり、ドテン売りを仕掛けたと推測される。日本株や中国株が急落したのは、そのとばっちりである。実際、代表的な株価指数のドイツDAX指数やフランスのCAC指数は、27日の高値から直近の安値まで8%前後急落する一方(日経平均は先物で一時5%安、NYダウは2%安にとどまっている)、通貨ユーロは対円で27日の128円台から135円台まで7円も急騰している。これは「ユーロ買い・ユーロ株売り」が大規模...