ブログ(会員限定) 数値目標は消えず
先週末のG20財務相・中央銀行総裁会議は、前回予想した通り、かなり面白い会議になったようだ。米国は例によって中国に人民元切り上げを迫ったが、今回は経常黒字の対GDP比を4%以内にするという数値目標を持ち出してきた。正面から攻めても、のらりくらりとかわされてしまうので、今回は搦め手から攻める戦略である。中国の対GDP比の経常黒字は5%弱だから、仮にこの数値目標が導入されたとすれば、貿易黒字を5兆円程度減らさなければならず、それをやるには人民元を切り上げるのが手っ取り早い。しかし、この数値目標にはドイツや日本の野田財務大臣も反対を表明。中国を筆頭に新興国の大半も反対に回って、結局は先送りされた。しかし、数値目標が先送りされても、米国は痛くもかゆくもない。淡淡とドルを刷り続けて量的緩和策を継続し、ドル安に誘導するだけである。すると、人民元はドルに連動して一段と下がる。ブラジルのレアルを筆頭に、中国と激しい輸出競争をする新興国ほど対ドルで自国通貨が高くなり、中国との競争がますます不利になる。で、結局、今回数値目標に反対した国は、いずれ数値目標を呑まざるを得ないというのが米国の戦略のように思う。...
